次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
メーカーA社では、経営陣が「次世代の主力製品」と鳴り物入りで導入した製品X について、累積損失が膨らんだため、市場から撤退する決定がなされた。実は5年 ほど前から、製品Xには深刻な問題があると気づいていた現場管理者が数人いた。 生産上のトラブルが続き、そのコストを価格に転嫁すれば競争力を失うことに気づ いていたのである。しかしこの情報が、経営陣に伝わるには時間がかかりすぎた。 その原因を探求すると、以下のような状況であったことが分かった。
生産現場の管理者たちは、改善運動で成功してきた実績と有能感を持っていた。 当初は、改善運動で問題が処理できると考えていたが、マーケティング面の問題が より深刻であることが分かった。そこで彼らは、製品Xのプロジェクトマネジャー (以下、「ミドル」という)に問題の深刻さを伝える報告書を作成した。A社では、こ うした報告書には改善提案を付けることが当然視されていたため、時間をかけて詳 細なデータを付けた。
しかしこの精緻な報告書は、製品Xの導入決定の際に、トップ主導で行った生産 やマーケティングの調査を根底から覆すような内容を含んでいた。そこでミドル は、まず現場管理者たちに、その報告書に記載されたデータが正しいのか詳しく調 べるよう指示した。報告書が正しそうだと分かると今度は、経営陣に悲観的な情報 を小出しに流し始めた。経営陣からはいつも「説明資料が長すぎる」と叱られていた ので、資料のデータを大幅に割愛し、問題の深刻さをオブラートに包み、現場では 事態を十分掌握しているように表現していた。そのため経営陣は製品Xについて、 引き続き「次世代の主力製品」と熱い期待を語り続け、必要な財務的資源も保証して いったのである。
現場の管理者たちは問題点を指摘したにもかかわらず、経営陣は製品Xへの期待 を語り、ミドルからは再検討の要請がなされたため混乱した。そのうち彼らは、製 品Xに悲観的な資料を作ることを控え、責任はミドルにあると考えるようになっ た。やがて、納得したわけではなかったが、あまり気に留めることもなくなった。
(設問1) あなたがコンサルタントとしてA社の問題を分析するとしたら、A社の組織メ ンバーが持つ行動モデルに当てはまるものはどれか。最も適切なものを選べ。
この問題は応用力を問う問題です。解答できなくても合否には大きく影響しません。余裕があったら学習しましょう。